ほねつぎ

Storyスペシャルインタビュー

仕事を通して、“三方良し”の社会を実現させたい

湯村 政彦さん

湯村 政彦さん

有限会社 hallys YUMURA 自在な整骨院はりきゅう院 代表取締役

「今を生きる人、未来に生きる人、人間以外の生き物たち。この三方が幸せなことが理想だ」と話すのは、九州を中心に展開する「自在な整骨院はりきゅう院」の湯村政彦さんだ。持続可能な社会のために、スタッフと一丸となり、環境問題や食育、健康づくりに取り組んでいる。

Owner's Story

根本施術に取り組む施術家になりたい

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湯村さんは“根本施術”に取り組むために施術家の道に進んだのだという。根本施術とは、骨格や筋肉だけでなく、内臓や精神面にも良い影響を及ぼす施術のことを指す。自分たちの体を形成するために不可欠な毎日の食事を見直したり、さらには農作物が育つための環境について考えたりする必要があると湯村さんは語る。「人間だけでなく、他の生き物たちにとっても住みやすい環境にしていくことが大切です。そのことを患者さまやスタッフ、その家族など、少しでも多くの人に伝え、社会をより良い方向に変えたいとの思いから、この事業を展開しています」。

子どもの頃から昆虫採集が趣味だったという湯村さん。特に水生昆虫が好きで、タガメやゲンゴロウを探しに出掛けていたそうだ。しかしある時から一向に昆虫たちが見つからなくなり、父親に「なぜいないのか?」と尋ねたという。父親から返ってきた言葉に、湯村さんの中で衝撃が走った。「農薬や生活排水による環境汚染、コンクリートで固められた道路…人間の生活が便利になるにつれ、他の生き物たちが住めない環境になっているんだよ」――。なぜ人間はそんなことをするのだろう。小学生だった湯村さんは物凄く腹立たしかった。

湯村さんが施術の世界に入った頃、自分と同じように環境問題を考える施術家と出会った。「自分がこれまで抱いてきた思いとリンクしました。それが自分の目指す施術家の“根本”なのだと。人間や他の生き物のために、持続可能な社会を作りたい。それがすべての原動力です」。

持続可能な社会のために施術家にできること

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「今、“Z世代”と呼ばれる若い層が、SNSを通じて環境問題について発信し始めています。日本だけでなく、世界中で。彼らにとっては、これからの自分たちに関わる切実な問題だからです。こうした発信の甲斐もあり、大企業が動き始め、今では世界中で“SDGs”が叫ばれている。僕たちの世代がどこまで変われるか、自在な整骨院はりきゅう院を通して地域にもっと広めていきたいです」。

ただ、こうした価値観の話をしようと思うと、相手から信頼されていなければ耳を傾けてはくれない。そのためには、圧倒的に治せる技術を身につける必要があるのだと湯村さんは語る。「施術の腕が認められ、自分の体が変わった実感を持ってもらえ初めて説得力が増します。そういった施術家が増えれば、世の中はきっと変わるはずです」。

日本ではまだ原子力に頼らざるを得ない状況が続いている。欧米では早いうちから再生可能エネルギーにシフトする動きが見られている。このことについても湯村さんは危惧している。「原子力発電の原理や、人間が制御できない核燃料のリスク……。僕は、健康を担う施術家がこういった事実を知らないこと自体おかしいと思っています」。

今や接骨院の数は、コンビニの数に匹敵するとも言われている。そういった存在が発信していけば、より多くの人に問題意識が伝わる。「『腰痛を治したい』といった施術方法にばかりこだわっていても、根本が良くならなければグルグルと同じことを繰り返すだけです。地球環境というもっと根本的なところを自分たちが変えるつもりで日々施術にあたっています」。

持続可能な社会をつくるために、2030年までに実現させるべき指針がある。「セブンイレブンは40年以上かけて全国規模のフランチャイズになりました。自在な整骨院はりきゅう院がそれを実現させようと思うと、2030年には到底間に合いません」。だからこそ、今変えるしかない、この数年が勝負だと湯村さんは語る。

何事にも、“仕方なく”ではなく“面白く”取り組む

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「この仕事を極めて行く中で、自らを変える。自らを変えることで、社会を変える。自分が面白いと思えるやり方で、楽しみながら変える」。これが、自在な整骨院はりきゅう院の理念だ。「何事も、“仕方なく”ではなく“面白く”取り組むことが大事だと思っています。そうすれば、成長スピードがぐんと加速します」。

事業を通して地域社会に何を貢献できるのか、自分は何のために生きているのかを考えた結果、この理念が誕生したのだという。湯村さんのもとで働くスタッフたちは、毎月の給料日に理念の唱和と説明を行っている。「毎月理念について発し、考えてもらっているおかげで、スタッフの間に共通認識が定着したと思います」と、湯村さんは嬉しそうに語る。

スタッフには常に、専門家や現場の話を鵜呑みにせず、自分で考える癖をつけようと話しているという湯村さん。「片方の意見だけ聞くと、それがすべてと思いがちです。逆の視点に立った場合どう感じるか?なぜそういう考え方になっているか?を掘り下げて考える。スタッフには常に心掛けてほしいことです」。

あえて居心地の悪い場所に身を置くことも大事だと湯村さんは続ける。「例えば、自分よりも圧倒的に結果を出している人のそばに行くこと。その人のそばにいることで劣等感にさいなまれるから、居心地は相当悪いと思うんです。でも、ずっと一緒にいることでだんだんとその人の言っていることがわかったり、感覚がつかめたりするものです」。自分がイメージしたものしか実現はできない。だからこそ、自分より圧倒的に凄いと思う人の話を聞くことが大事なのだと湯村さんは実感している。

スタッフと共に目指す、“三方良し”の社会

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自在な整骨院はりきゅう院では、昼食はスタッフが自炊し、全員で食卓を囲むのだそうだ。「農薬も肥料も使わないお米を食べたり、お肉を食べたりしないことで、自然環境を守ることにつながると思うからです」。さらに、食生活が変わることで体は間違いなく変わるのだと湯村さんは話す。日々の自分たちの行動から環境問題についての理解を深め、一丸となって取り組む、それが自在な整骨院はりきゅう院の理念に基づくスタイルだ。「スタッフたちには、自分で考え生き抜く力を身につけてほしいと願っています。そのためには、今自分にできることを精一杯してほしいです」。

今を生きる人、未来に生きる人、人間以外の生き物たち。この三方が幸せなことが理想だと湯村さんは語る。仕事を通して、“三方良し”の社会を実現させたい。それこそが、湯村さんが心から目指す未来像だ。